未来面「つくりかえよう。」経営者編第5回(2018年7月2日)

課題

「より良い生活へ テープやフィルムをどう進化させる?」

高崎秀雄・日東電工社長

 床に落ちたゴミなどを取る「コロコロ」という掃除用品をご存じですか。我々の子会社、ニトムズの商品です。社員が粘着テープでゴミを取っていたのにヒントを得て開発したもので、ロングセラー商品に成長しました。こうした様々な技術やアイデアを取り入れて商品化するのが当社の得意とするところです。

 日東電工は一般にはなじみが薄いかもしれませんが、今年で100周年を迎えます。昔は日東電気工業といい、電気の配線などに使われる絶縁材料からスタートしました。その後、テレビやスマートフォンの画面に使われるフィルムや光通信、自動車、住宅素材など幅広い分野に製品を拡大。今では1万3500種類もの部品や材料を提供しています。核酸医薬品なども新たな成長分野ととらえています。

 そのコアとなるのが、粘着剤やテープ、フィルムなどの製造に関わる技術で、それを市場の変化やお客様の要望に合わせて発展させてきました。社内では「三新活動」と言いますが、ひとつの製品を1つの技術で終わらせず、新しい用途、新しい製品、新しい需要という3つを追求するマーケティング戦略です。50年近く続く当社の遺伝子といえます。

 例えば、電気自動車や自動運転車の登場は我々にとっては大きなビジネスチャンスです。ディスプレー装置や通信用レーダーの基板などはもちろん、エンジンからモーターに替われば、創業当時から続く絶縁技術も生かされるようになります。また、通信分野ではプラスチック製の光ケーブルを開発していますが、4K・8Kの高精細放送や遠隔医療などが広がれば、大量のデータを送る回線が必要となります。プラスチックはガラスに比べ軽く、耐久性や柔軟性にも優れています。

 こうした新しい製品は自然に生まれたわけではありません。ニッチな分野でトップシェアをとる「ニッチトップ戦略」という差異化戦略により、いち早くお客様の要望を聞き、一緒になって技術を開発してきたからです。研究開発にも力を注ぎ、新しい技術ができたら、どんな社会課題を解決する製品にできるかを検討してきたからこそ、100年間成長を続けてこられたといえます。

 2020年には売上高1兆円達成を目指していますが、次の100年に備えるためには、従来とは異なる新しい発想で技術を進化させる必要があります。すでに海外売上高が7割を超えていますが、今後は日本で開発した製品を海外に販売するだけでなく、世界各地でニーズを発掘して現地で商品化し、それをほかの国に展開していくことも必要でしょう。

 そこで皆さんにお聞きしたいのですが、我々の生活や仕事をよりよい方向に変えていくには、テープやフィルムなどの技術をどう進化させればいいと思いますか。たくさんのご意見をお待ちしております。

同企業からの課題

同テーマの課題